十羅刹女



うちの日蓮正宗の御本尊様南無妙法蓮華経と書かれた周りに、私たち法華経の信者さんたちをお守りしてくださっている、諸天善神の名前も書かれている。


その中に、前回書かせていただいた、鬼子母神と同じく鬼神の「十羅刹女」と言う名前がある。

字の如く十人の羅刹女女性の鬼神である。


1藍婆(らんば):衆生を束縛し殺害するので名づく。2毘藍婆(びらんば):衆生の和合を離脱せんとするので名づく。3曲歯(こくし):歯牙が上下に曲がり、甚た畏怖すべきゆえ名づく。4華歯(けし):歯牙が上下に鮮明に並んでいるため名づく。5黒歯(こくし):歯牙が黒く畏怖すべきゆえに名づく。
6多髪(たはつ):髪の毛が多いので名づく。7無厭足(むえんぞく):衆生を殺害しても厭わない飽き足らないことから名づく。8持瓔珞(じようらく):手に瓔珞を持つため名づく。9皇諦(こうだい):天上と人間の世界を自在に往来するゆえ名づく。10奪一切衆生精気(だついっさいしゅじょうしょうげ):一切の衆生の精気を奪うため名づく。


羅刹女は美しい姿で人を惑わせ、その血肉を食うといわれる、自由自在に飛行し、走るのも速い。
鬼子母神と同じくお釈迦様から法華経のお話を聞き、法華経の信者を守ると誓いみんな鬼神から善人になったと言われている。



「十羅刹女と申すは十人の大鬼神女、四天下の一切の鬼神の母なり。また十羅刹女母あり、鬼子母神是也」
日蓮大聖人御書


鬼子母神とともに法華経を信じ信仰する者すべてを擁護し法華経の弘通を妨げるものを処罰することを誓っている。


十六羅漢の一人 周利槃陀迦

周利槃陀迦
聞いたことある方も多いのでは
修利槃特・周利槃特・須梨槃特と色んな書かれ方がありますが、どれも同じ人物です。


ここでは、修利槃特と書かせていただこうと思います


修利槃特尊者
お釈迦様のお弟子の中で十六羅漢の一人。
「法句譬喩経巻第二」・「根本説一切有部毘奈耶巻第三十一」などに詳しく説かれている。
修利槃特はお弟子さんの中でも義持第一と言われていた。


修利槃特は二人兄弟の弟、兄は摩訶槃特といい大変優れた頭脳の持ち主でしたが、弟の修利槃特は頭が悪く自分の名前も覚えることが出来ず、自分の名前の書いた板を首からかけていたそうです。

世間の人々は修利槃特を「馬鹿の修利槃特」、「馬鹿の槃特」と呼ぶようになりました。


両親が亡くなってからも、この兄弟は大変仲が良くいつも一緒にいました。
後に兄弟はお釈迦様の弟子になりました。



兄の摩訶槃特は、あらゆる煩悩を断ち切って阿羅漢の位に、しかし弟の修利槃特は簡単にはまいりません、摩訶槃特は修利槃特に「守口摂意莫犯 如是行者得度世(身体と口と心に悪行を造ってはいけない。正しい思いをもって、そして、無益な苦しみから離れなさい)」これを一生懸命暗誦するように勧めました。一生懸命覚えようとしましたが、結局三年たっても覚えることができませんでした。


兄の摩訶槃特は弟は普通の方法では暗誦することも、仏道修行することもできないと知って、心を鬼にして「バカ、大ばか者。お前は世界一の大ばか者だ、お前が僧侶になって一体どうなるんだ。無駄だから今すぐここから出ていけ」と言い渡しました


追い出された外で修利槃特は大声で泣きました。その時お釈迦様がそこをお通りになり泣いている理由を聞かれました。
修利槃特は「私は、生まれついての大ばか者で、今まで一偈も暗誦することができません。そして今、ついにお兄さんにまで見放されて泣いているのでありました。」



お釈迦様はそれをお聞きになっても怒ることもなく、忘れることにたいして「頼もしい」とお褒めになりました。

「人は大事なことは忘れるくせに、ことはつならないこ覚えすぎております。場合によっては忘れることも大事なのであります」
「愚人、みずから愚と説かば、これを名付けて智者となす。愚人みだりに智と言えばこれを名付けて愚痴となす」即ち、愚かな人が、自分は愚かだと言ったならばこれを「智者」というのであり、愚かな人が、「自分は智慧のある智者だ」と言ったならば、これが本当の愚人であるととかれたのであります。



修利槃特は生まれて初めて「智者」と言われました。それも仏様に・・・
お釈迦様は修利槃特に、
「われ塵を払い、われ垢を除かん」との二句を授けられましたが、修利槃特はわずか二句も覚えられません。これを見てお釈迦様は、修利槃特の過去の罪障が深いことを知られ、この罪障消滅のために一つの行を授けられました。それは、全ての僧侶の履物を拭き清めること。そして泥を落としながら、口に「われ塵を払い われ垢を除かん」と唱えさせました。



毎日毎日たくさんの僧侶の履物の汚れを落とすということはとても大変なことであります。でも、素直な修利槃特は少しも嫌がることなく修行に励み、口に、「われ塵を払い われ垢を除かん」と唱えました。
一日一日修利槃特の過去の罪障が少しずつ消滅していきある日ついに悟りを開くに至ったのです。



修利槃特が口にしていた塵、垢というのは、人間の心の中の塵や垢で、その塵と垢とは貪嗔痴(とんじんち)の三毒である。

貪とはむさぼりの心、けちな心、欲望の心。嗔とはいかりの心、痴とは愚かな自分本位の心である。
この三つの塵、垢を払い落すことが大事なことなんだと悟ったのです。


槃特尊者は、お釈迦様のもとにいきそのことを報告しました。

お釈迦様は大いに喜ばれ、修利槃特に阿羅漢の位を許されたのです。


後にお釈迦様は「法華経」を説かれ、槃特尊者は、この「法華経」を全く疑うことなく信じたのであります。「法華経」を素直に信ずる大功徳により、お釈迦様より「普明如来」記べつ(お釈迦様が弟子の未来の成仏を約束されること)をうけられたのです。



槃特尊者のお墓に見たこともない草が生えました。
この草を食べると物忘れをすると言われました。人々は槃特尊者が草となって現れた。
槃特尊者は若い時自分の名前を荷っておられたということで、この草に草冠名を荷うと)書いて、「茗荷(みょうが)」と名付けた。この「茗荷」は仏様の)功徳という意味の「冥加(茗荷)」にも通じるのです。



槃特尊者のような純粋な心で生きていきたいです。


釈迦十大弟子と十六羅漢

十大弟子  十六羅漢
  1    1    長老舎利弗 (サーリープッタ)         智慧第一
  2    2    摩訶木建連 (マハー・モッガーラーナ)     神通第一
  3    3    摩訶迦 葉 (マハー・カッサパ)        頭陀第一
  4    4    摩訶迦旃延 (マハー・カッチャーヤナ)     論議第一
  5         須 菩 提 (スブーティ)           解空第一
  6         富 楼 那 (プンナ・マンターニプッタ)    説法第一
  7   16    阿那律陀  (アナルッダ)           天眼第一
  8   10    羅 嵯 羅 (ラーフラ)            密行第一
  9         優 波 離 (ウパーリ)            持律第一
 10    9    阿 難 陀 (アーナンダ)           多聞第一
       5    摩訶俱羞羅(マハー・コチッタ)         四弁第一 
       6    離 婆 多 (リ ハ タ)          無倒乱第一
       7    周利槃陀迦 (チュッラパンタカ)        義持第一
       8    難   陀 (ナンダ)             儀容第一
      11    驕梵波提  (ガブァンパテイ)       多天供養第一
      12    賓頭盧頗羅堕(ピンドラ・バァーラヴァージャ)  福田第一
      13    迦留陀夷  (カールダーイ)          教化第一
      14    摩訶劫賓那 (マハー・カッピィナ)      知宿星第一
      15    薄 拘 羅 (バックラ)            寿命第一  



お釈迦様にはたくさんのお弟子さんがいたけど、その中でも特に優れた能力や得を有した十人のお弟子さんを釈迦十大弟子と言う。
聞いたことのある名前のお弟子さん一人はいるかな。